「本」の未来をめぐる“若手”情報発信サイト

    第12回図書館総合展フォーラム:「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション 2010年11月24日(水)15:30~17:00開催

    2010年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年11月

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    【パネラーインタビューその3】浅井愛さん(Web文芸誌『マトグロッソ』編集長)

    パネラーインタビュー第3弾は、出版社イースト・プレスの浅井愛(あさい・あい)さんです。Amazon.co.jpのみからアクセスできるWeb文芸誌『マトグロッソ』の編集長をしておられます。かわいらしく、かつパワフルな浅井さんのインタビューをお届けします!

    asai

    ―まずは、学生時代から今に至るまでの経歴について教えてください。

    学生時代は、一刻も早く社会に出て働きたいという気持ちが強かったこともあって、1年目でほとんどの単位を取得し、あとはアルバイトに打ち込んでいました。2年生の終わり頃から始めた太田出版という出版社でのアルバイトが特におもしろくて、大学卒業後は、そのまま太田出版に就職させてもらいました。太田出版には、思想的な本から、小説、カルチャー、エロ、マンガと、ありとあらゆるテーマや形態で本を出す編集者が「個人商店」のように集まっていて、編集者は自力で仕事を切り開いていくしかないのだ、と教えられました。ここで編集者としてもっとも大事なことを学ばせてもらったと思っています。
    太田出版には社員としては三年在籍し、その後、ポプラ社が創刊するという雑誌の編集部に呼んでもらい、立ち上げ準備から二年間働きました。その後、理論社が刊行している『よりみちパン!セ』というノンフィクションのシリーズを作る編集部で二年間、それから現職です。
    『よりみちパン!セ』というのは、子どもに向けて、“その道のプロ”が書き下ろすというシリーズで、養老孟司さんや、森達也さん、それから西原理恵子さんなどさまざまな分野で「我が道」を行く方がご参加くださっていました。小学校から高校まで学校図書館にもたくさん入れていただいていたんですよ。いま所属しているイースト・プレスに入社したのは2009年の春ですね。Web媒体を立ち上げたいと提案し、実現したのが今年の5月です。

    ―編集者は転職が多いとは聞きますが、いろいろな会社を転々としてらっしゃるのですね。

    転々としたかったわけではないのですが(笑)、たまたま、です。実力不足で思うように企画を実現できなかったり、行き詰っているときに声をかけてもらったりして、運良くいろいろな経験をさせてもらいました。

    ―Web媒体で何かをやりたいという思いがあって、『マトグロッソ』を立ち上げたということですが、Web媒体を選んだのはどうしてでしょうか? Webに抵抗感はありませんでしたか?

    全くなかったですね。「本」を読むというのは、活字として読んでそれを自身に根付かせていくという行為であって、それが紙媒体であろうが、Web媒体であろうが関係ないと思うんです。活字情報というのは、媒体それぞれに合った形になればよいのであって、活字自体が媒体を選ぶというわけではありません。また、実際に多くの人がPCの前でこれまで以上に多くの時間を過ごすようになり、Web上でものを読む時間が増えている中で、編集者にできることはもっとあるだろうと感じていました。

    ―今年は「電子書籍元年」とも言われ、電子書籍についてお祭り騒ぎのように議論が飛び交っていますが、浅井さんはこの状況をどう見ていますか?

    『マトグロッソ』を実現できたのも、その勢いがあったからだと思っています。そもそも、読者の欲求に応えるのが編集者の本分ですし、いまさら紙か電子かという「議論」をするより、読者に届けられるならばどんな形でも、どんどん作品を生み出していけばいいのではないかと考えています。

    ―Kindleなどのプラットフォームを使えば、著者本人が出版社を介さずに出版できるようになり、出版社の中抜きが進むのではという懸念の声もありますが、いかがお考えでしょうか?

    出版社を介さずに出版できる著者は、そのようにしてどんどん作品を世に提供していけばよいと思っています。ただ、依頼や提案、補佐があって生まれる作品や企画というのは必ずあるので、そういうものを自分は今後もせっせと実現していきたいですね。

    ―これからの「出版」はどのように変わっていくと思いますか?

    今後、大きく形が変わっていって、現在は選択肢にないことも、きっとこれから出てくるのだと思います。というか、まだ想像もつかないようなことがどんどん実現していく未来でないと、私たちの出番がない。少なくとも、いまみたいに、電子書籍といっても紙の本と同分量、似た体裁で作られたものばかりということはなくなるでしょうし、それは、ご飯を家で食べるときはお茶碗に盛るけれども、山に登るときにはおにぎりにするっていうのと同じことで、媒体なり環境なりにぴったりくる表現というのが自ずと生まれてくるだろうと思っています。そういう見せ方の変化だけでなく、発信・発売の手段が増えることで当然「出版」の根本的な意義自体も変わっていくだろうと思います。

    ―電子化の中では、図書館のあり方についても注目が集まっています。今回のフォーラムでは図書館員もパネルディスカッションに参加しますが、図書館についてはどのように見ていますか?

    私自身、図書館のヘビーユーザーでもありますし、今後、図書館がどうなっていくのかということにはとても興味があります。情報のプロパーとして、電子化の流れの中でいかに変化をし、存在価値を高めていってくれるのかとても期待しています。

    ―最後にパネルディスカッションに向けての意気込みをお聞かせください。

    編集者の立場から見た「本」の未来については、試行錯誤しながら、いろいろと考えを積み重ねているところです。でも、編集者の範ちゅうを超えたもっとマクロなレベルで、「本」が今後どうなっていくのかということについては、わらないことがたくさんあります。今回のパネルディスカッションには、それぞれのポジションで働き盛りの若手の方が参加するということなので、各立場で日々向き合っていることや実感、それから実現したいと思っていることを発言し合い、全体としてひとつの大きな「本」の未来を描き出す事ができればと思っています。自分と違う環境にいる方のお話を聞く機会は貴重なので、非常に楽しみにしています。



    ◆参考ページ◆
    Web文芸誌『マトグロッソ』については、以下のインタビューが詳しいです。ぜひ、あわせてお読みください。
    ビジネス+IT 【浅井愛氏インタビュー】ネットで読める文芸誌『マトグロッソ』が目指すもの

    ◆他のパネラーのインタビュー◆
    【パネラーインタビューその1】梶原治樹さん(扶桑社)
    【パネラーインタビューその2】高橋真太郎さん(鳥取県立図書館)
    【パネラーインタビューその4】谷航さん(大学図書館員)
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    【パネラーインタビューその2】高橋真太郎さん(鳥取県立図書館)

    パネラーインタビュー第2弾は高橋真太郎(たかはし・しんたろう)さん。鳥取県立図書館の職員で、現在は育児休暇中です。

    takahashi.jpg

    ―まずは、学生時代のことや図書館で働くことになったきっかけを教えてください。

    高校生の頃は、やりたいことの特にない学生でした。でもあるとき、体験学習に行かなければならなくなったんです。そこで、図書館にはクーラーがあるから快適だろう、という安易な理由で図書館を体験学習先に選びました。図書館に行ったら実習が面白くて図書館に興味を持ち、図書館情報大学を志望するようになりました。他の大学は受けませんでしたね。
    大学に入学してからは、バンド活動に熱中していました。図書館とバンドが自分の中では半々くらいでした(笑)。将来は子ども2人にも教えて、親子バンドをやりたいです。

    ―大学卒業後、すぐに鳥取県立図書館に就職されたのですか?

    実は、最初は香川県立図書館に就職しました。でも、妻は鳥取で就職しており、このままでは一緒に暮らすことができません。そこで一大決心をして、鳥取県立図書館の採用試験を受けることにしました。香川県立図書館では新人としてすごく大事にしてもらって、色々なことを教えてもらいました。香川県立図書館で働き続けて直接的に恩返しすることはもうできませんが、これからの自分の仕事がまわりまわって香川に還元できれば、と思っています。
    鳥取県に来てからは、最初の2年間は県立高校の図書館に勤務しました。県立図書館に勤めて4年になります。最初は資料課というところにいて、雑誌の受け入れやHPの作成などをやっていました。今は相談係でレファレンスを担当しています。

    ―学校図書館勤務の経験がおありなのですね。学校図書館でのお仕事はどのようなものだったのでしょうか

    司書は1人しかいないので、選書もレファレンスも全てやっていました。若い人のために働くことは、すごく楽しい経験でした。実業高校だったので調べるべきことは本当に多種多様で、私自身いろいろ教わりました。
    一般的に公共図書館は児童サービスに熱心で、大人に至る間の世代である中高生をあまり重視していないように思います。中高生は、何かを決断する局面で、調べなければならないことがたくさんあるはずです。そういう意味でも、高校図書館は大事だと考えています。図書館のあるべき姿を語るより、生徒達が何を必要としているかを考えることのほうが大切なのだと思います。

    ―公共図書館に異動して、思うことはありますか?

    知りたいという人がいる、というのは素晴らしいことだと思います。解決できたら自分もうれしいし、利用者から教わることも本当に多いんですよ。司書は本当に素晴らしい仕事です。図書館の仕事の核はレファレンスだと考えます。鳥取県立図書館で力を入れているビジネス支援もその一環です。

    ―「電子書籍」が話題ですが、図書館と電子資料の関係についてはどうお考えですか?

    紙を収集するだけでは、図書館はそのうち古文書館になるでしょうね。5年ほど前は、インターネットは危ないと大学でも教えられましたし、レファレンスの際は紙の資料で裏を取れと今でも言われます。しかし、インターネットでしか公開されていないものはどんどん増えています。利用者は紙媒体で見たいのではなく、情報が欲しくて図書館に来ているわけなので、電子資料もどんどん入れていけばいいと思います。

    ―そういったデジタルへの流れの中で、図書館員はどうなっていくと考えますか?

    デジタルを扱う能力という意味で、図書館員も勉強が必要ですね。これからは、UstreamやTwitterなどの新しいツールを使って情報を提供するのも、図書館の仕事になってくると思います。
    それに、デジタルを取り入れることは、地方の図書館にとってはチャンスでもあります。来館利用者だけではなく、図書館に来館できない人達にも情報を届けることが可能になるからです。
    ただ、公共図書館で致命的なのは、デジタルに強い若い図書館員が少ないことです。デジタルの流れについて行ける人をきちん採用することが重要だと思います。新規採用をしない期間には、優秀な人材を逃しているわけですから、毎年採用があるというのも重要なことですね。いろいろな感覚を持っている人がいた方が図書館は良くなるし、そのためにも新しい人が入らないとだめだと思います。

    ―現在、育児休暇中とのことですが、図書館から離れてみてどう感じていますか?

    育児休暇を1年間取得することについて、職場に理解してもらって感謝しています。先ほども言ったように、いろいろな感覚・経験を持った人がいたほうが図書館もオールマイティになるはずなので、子育てをする男性がいてもいいと思います。
    育児休暇中は、ほとんど図書館に関する情報が入らなくて、図書館がなくても地球は回るんだなぁと思いました。育児休暇に入る前は、とにかく図書館を使ってもらいたいと思っていました。でもそういう押しつけは良くないと感じています。

    ―「図書館を使ってもらいたいという押しつけ」というのは、具体的にどのようなことなのでしょうか?

    例えば、「図書館が生き残るためにこういうサービスをしよう」という発想は間違っていると思います。図書館が生き残るための理由に、利用者を使ってはいけない。図書館が世の中に必要ないなら、なくなっても構わないと思います。私は図書館員なので、図書館がなくなったら残念だとは思いますが、使わない人にとっては関係のないことです。
    図書館が今生き残っているのは公共機関で潰れることがないからなのであって、図書館はもっと謙虚になるべきだと思います。どうすれば人々の役に立てるか、図書館を使ってもらってその先その人々がどうなるのかを、もっと考えなければならないと思います。
    つまり、マーケティング意識を持つことです。どこの公共図書館でも全く同じことをしていたら、それは利用者を見てないということです。もう昔と同じことを図書館学の授業で教えていては間に合わない時代に来ています。出版社だって電子書籍で変わっていくのですから、図書館が変わるチャンスは今です。

    ―現役の図書館員が言うからこそ、説得力のある言葉ですね。最後に、パネルディスカッションにむけて、意気込みをお願いします。

    図書館は新しい情報を提供する場所なのだから、図書館員も新しいことについて行かないといけません。これについては、他のパネラーの方々の意見も聞いてみたいです。
    それに、図書館は出版界ともっとコミュニケーションを取った方がいいと思いますね。図書館と書店の在庫をつなぐとか、図書館のノウハウを書店に持っていくとか、できることはいろいろあるはずです。今回のパネルディスカッションでは、図書館と出版界の双方からパネラーが登壇するということで、私自身とても楽しみにしています。



    ◆他のパネラーのインタビュー◆
    【パネラーインタビューその1】梶原治樹さん(扶桑社)
    【パネラーインタビューその3】浅井愛さん(Web文芸誌『マトグロッソ』編集長)
    【パネラーインタビューその4】谷航さん(大学図書館員)

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    【パネラーインタビューその1】梶原治樹さん(扶桑社)

    図書館総合展フォーラムでのパネルディスカッションにむけて、これからパネラーの面々のインタビューを掲載していきます。第1弾は、梶原治樹(かじわら・はるき)さん。株式会社 扶桑社でウェブサイトや電子書籍などのデジタルメディア戦略に携わっていらっしゃいます。

    kajiwara

    ―まずは、これまでの経歴について教えてください。例えば、学生時代はどのように過ごされたのですか?

    大学時代には、塾講師のアルバイトと落研サークルで友人とコンビを組んでコントを作って演じることに熱中していました。出版社に入社したのも、このふたつの延長で、面白いものを人に伝える仕事をしたかったからです。コンビではツッコミを担当していたのですが、お笑いって、ボケがボケるだけでは駄目で、そこにツッコミを入れることで笑いが生まれる。仕事でもツッコミを入れて、著者をサポートしつつ、著者のアイディアをより面白いものにできればと考えたのも大きな動機のひとつですね。

    ―入社後はどのようなお仕事を担当されたのですか?

    1997年に扶桑社に入社して今年で14年目になります。入社してからは、色々な部署を転々としてきました。最初に配属されたのは、電車の中吊り広告や新聞広告、CM制作などを担当する宣伝部です。そこではいきなり新人にホームページを作れと言われ、自分でHTMLを勉強してホームページを立ち上げたりしていました。入社2年目で週刊SPA !の編集に移り、主にPCやゲーム関係の記事を担当しましたが、そこでもSPA !のウェブサイト立ち上げに関わることになりました。ウェブサイトに掲載する編集部日記を毎日更新するという任務を上司から命じられて、昼夜逆転している中でめちゃくちゃな時間に日記を更新するということもありましたね(笑)当時からすでに雑誌の記事であふれたものをウェブで公開したりと、今から思えば、かなり自由にやらせてもらっていたという感じがします。

    ―10年以上前にウェブでの情報発信をされていたというのには驚きです。その後はどのようなお仕事を?

    2002年くらいから販売部に移り、書店営業を担当するようになりました。その当時はちょうどAmazonが登場したばかりの頃で、ちょっと様子を見てこい、みたいなノリでオンライン書店の担当も命じられたんです。当時は、ネットは敵という風潮が根強くあり、そのような風潮の中で、いかにオンライン書店を使って本を売り伸ばしていくか、色々と試行錯誤をしていました。そして4年前に、デジタル関連業務を一手に引き受ける部署を立ち上げることとなり、それ以降、電子書籍やWebの制作・営業などデジタル周りの仕事を専門的にやるようになりました。

    ―異動しても異動しても、ウェブやデジタルに関わるお仕事を担当してしまうのですね(笑)

    そうですね。色々な部署を回ってきましたが、常にデジタルメディアに関わる仕事に携わってきました。それが自分の強みだと思います。逆に言えば、編集も販売も極め切れていないことになりますが(笑)

    ―それぞれの時代の最前線にいた、とも言えると思いますが、会社自体、常に新しいことを求める雰囲気なのでしょうか。

    古い歴史のある会社ではないので、既存の枠組みに捕らわれないでやろうという気風はありますね。現場は忙しいので、新しいアイディアがあってもなかなか実行に移せないというところもありますが、そうした現場の企画や要望を吸い上げて、実現していくのが今の部署の仕事だと思います。

    ―電子書籍の議論の中では、図書館のあり方も問われていますが、「図書館」についてどのようにお考えですか?図書館はご利用なさっていますか(笑)?

    子どもの頃は毎週土曜日に家族で図書館に行くというのが習慣になっていましたが、大学生くらいからあまり使わなくなりましたね。欲しい本は自分で新刊本を買うので、図書館は自分の生活から切り離されたものになっているかもしれません。図書館というと、読みたい本があるから行くというよりは、コミュニティスペースとして活用するというイメージがあります。コンテンツと言うよりは場所がメイン。
    本との接触の機会を無料で与えてくれるというのも重要な図書館の役割だと思います。出版社としては、本当に欲しい本は、著者を応援する意味で買ってくれるとありがたいですが(笑)、たとえば音楽の世界で言うと、最近の10代は、違法コピーが出回っていることもあって、お金を出して音楽を買うという感覚がなくなっているという話を耳にします。本の世界でもこれからデジタル化が進んで、そのような感覚が当たり前にならないように、著作者に敬意の表明としてお金を払うという「道徳」を読者の側にもこれから身につけて欲しいですね。

    ―著作者へのリスペクトを形成する場として図書館が機能するという手もあるかもしれません。

    そうですね。あとは、円やドルとは異なる別の通貨単位を作って、1リスペクトいくらにするとか、貯めると何か物が買えるとか(笑)そういうことが可能であれば、お金を払って本を買うということがそもそも必要でなくなるかもしれません。そういう意味では、「お布施」という言い方が一番しっくりきますね。あるいは、一冊の本の価値は、受け取る読者によってそれぞれ変わってくるので、各人が得た価値に見合うだけの対価を払う。一読者として考えると、このような価値付けのシステムがあってもいいように思います。

    ―これからの出版社はどうなると思いますか?

    会社によって方向性の差はあると思いますが、広い意味での「本をつくる会社」になるんじゃないでしょうか。例えば、いまある組織を小さくして10人、更に小さくして1人で出版社をやろうと思った場合、どの部署がのこるかを考えると、やはり「編集」であると思います。そういう意味で、出版社のコアコンピタンスは、書き手に寄り添ってコンテンツをプロデュースすることに尽きるのだと。恐らく、これは紙でもデジタルでも変わらないことだと思います。

    ―最後にパネルディスカッションに対する意気込みや抱負についてお聞かせください。

    他のパネラーもおもしろそうな方が多いのですが、特に宮田さんは気になる存在です(笑)私の場合、電子書籍を流通する手段としてウェブという媒体を使うという考えに走りがちなのですが、宮田さんは、まずはコミュニケーションのツールとしてのウェブを考えて、ユーザー同士、著者とユーザーなど、インタラクティブなコミュニケーションを本作りの中に取り入れているように見受けられます。
    当日はぜひ、それぞれ会社などの組織としての立場を離れ、自由に本の未来について語りたいですね。楽しみにしています。



    ◆他のパネラーのインタビュー◆
    【パネラーインタビューその2】高橋真太郎さん(鳥取県立図書館)
    【パネラーインタビューその3】浅井愛さん(Web文芸誌『マトグロッソ』編集長)
    【パネラーインタビューその4】谷航さん(大学図書館員)

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    ARG掲載記事「『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』への招待」

    ※ARGから転載許可いただき、掲載しています。

    -------------

    「図書館総合展フォーラム
       『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』への招待」

           『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』事務局
                           辻佑果(国立国会図書館)

    2010年11月24日(水)15時30分~17時、第12回図書館総合展の運営委員会主催
    フォーラムとして、『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』を
    開催します。このフォーラムは、国立国会図書館の若手が中心となって企画し、
    アカデミック・リソース・ガイド株式会社の岡本真さんのご協力や、図書館総
    合展運営委員会の皆さまのご支援をいただきながら、実現へとこぎつけたもの
    です。

    ______________________________
     ◆ 1. 「本」に関わる現場で働く「若手」によるフォーラム ◆
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    このフォーラムは、壇上で語るパネラーも裏方のスタッフも、すべて図書館や
    出版社、またはフリーで働く20~30代の若手です。「電子書籍元年」とも言わ
    れ、電子書籍や本のデジタル化が話題になった本年は、様々なシンポジウム等
    で「本」の未来について語られてきました。このフォーラムでは、図書館員や
    編集者など、日々「本」に関わる現場で働いている若手が、「本」未来を語り
    ます。それぞれの現場で働きながら、電子書籍やデジタル化への流れの中で何
    を考えているのか、組織としての立場からは離れ、一図書館員・一編集者とし
    て、そしてこれからを担う世代の一員として、現場から考える「本」の未来を
    語ります。

    パネルディスカッションのコーディネータは、このフォーラムの企画者でもあ
    る国立国会図書館の原聡子が務めさせていただきます。パネラーには、図書館
    界からは、図書館での課題解決支援サービス等に取り組んでいらっしゃる、鳥
    取県立図書館の高橋真太郎さん(現在、育児休暇中)、関西の大学図書館で働
    き、図書館員同士を結ぶネットワーク活動もされている谷航さんにご登壇いた
    だきます。出版界からは、Amazon.co.jpのみからアクセスできるWeb文芸誌
    『マトグロッソ』の編集長である浅井愛さん、株式会社扶桑社でウェブサイト
    や電子書籍などのデジタルメディア戦略に携わる梶原治樹さん、実業之日本社
    で『ブックビジネス2.0』の企画・担当をされた宮田和樹さんにご登壇いただ
    けることになりました。さらに、ブック・コーディネイター/クリエイティブ
    ・ディレクターとしてご活躍のnumaooks代表内沼晋太郎さんが加わり、図書館、
    出版社、さらにその外側からも、個性的な面々が揃いました。

    パネラーはみなさん各業界でご活躍の方々ですが、「若手」ということで、パ
    ネラーのことをご存じない方も多いかと思います。そこで、フォーラムの公式
    ブログを立ち上げ、パネラーのインタビューなどを掲載しています。学生時代
    のことから現在のお仕事のことまで、各パネラーの人柄にも触れる内容になっ
    ています。ぜひ、下記の公式ブログをご覧ください。

            「本」の未来をめぐる“若手”情報発信サイト
              http://honnomirai.blog106.fc2.com/
     ※図書館総合展ホームページ、参加申込みフォームへも、公式ブログから。


    ____________________________
     ◆ 2. 裏方的立場から見た図書館総合展への道のり ◆
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    本フォーラムの実現に向けて、どんなことを考え、自分自身にどんな変化があ
    ったのか。ここから、これまでの経緯を本フォーラムの事務局を担当している
    人間がお話しすることで、私達が今回のフォーラムでお伝えしたいことの一端
    を感じていただければと思います。

    当フォーラムのコーディネータで職場の同期でもある原聡子から、「2010年の
    図書館総合展で何かをやるプロジェクトを立ち上げたいから、お正月休みの間
    これを読んでおいて」と、彼女の考えをまとめた企画書を手渡されたのは2009
    年末のことでした。原によると、このときの企画書は漠然とした問題意識など
    を書き連ねただけで、図書館総合展で何をやるのかは全く決まっていない状態
    だったそうです。当然私も、図書館総合展に向けたイメージは全く抱けていま
    せんでした。

    年が明けてしばらく経った2月某日、外部の有識者の方の意見をうかがい親睦
    を深める機会を得ました。その場では国立国会図書館に対しても様々なご批判
    があり、それまで漠然と図書館で働く日々を過ごしていた自分を少し反省して、
    図書館総合展に向けて自分に出来ることは何だろうと考え始めました。その後、
    図書館総合展プロジェクトのコアメンバー達は、館内の若手有志を募って勉強
    会を立ち上げました。プロジェクトについてはまだ様子をうかがっている段階
    だった私も、勉強会に参加するようになりました。当時は図書館検索サイト
    「カーリル」が登場し話題をさらっていた時期で、勉強会でも「カーリル」は
    話題にあがりました。

    そして、縁あってカーリルを作られた方々にお会いする機会があり、彼らの技
    術者としての考え方や図書館利用者の立場としての率直な意見をうかがいまし
    た。その際、自分の勉強不足を痛感するとともに、これからはもっと大きな視
    野に立って図書館界全体、ひいては出版界をも含めた「本」を取り巻く環境そ
    のものについて考え直さなければならない転換期に、自分たちは立ち会ってい
    るのだという思いを強く持ちました。それが当フォーラムの基本的な考え方に
    もつながり、図書館の未来を見据えたパネルディスカッションをしたいという
    アイデアも生まれました。そして、この段階から私も図書館総合展プロジェク
    トコアメンバーの一員になりました。

    以降、勉強会メンバーの繋がりで出版社の見学をさせていただき、また横浜で
    行われた「図書館をネタに飲む会」に参加するなど、他の図書館員や「本」に
    関わるお仕事をされている方と交流することが増えました。職場の外にも人脈
    が広がり、様々な方のご意見をうかがう機会をたくさん持てたことで、私個人
    としても図書館やそれを取り巻く環境に対する考え方が変わってきました。図
    書館は閉じていてはならないという思いや、今の図書館に対する一般的なイメ
    ージを変えたいという個人的な願望も芽生え始めました。図書館サービスがど
    れほど充実したとしても、全体の印象がいまいちでは使ってさえもらえないと
    思い、この頃、原がTwitterで盛んに言及していた、「かわいい」を図書館に
    取り入れられないかという考えに共感しました。原と共に「図書館“かわいい”
    はつくれるプロジェクト」として、ブログの開設やカフェ会の開催などの活動
    を始めました。

    そうして職場の外にも人脈が広がるにつれて、図書館総合展フォーラムのテー
    マは、図書館の未来を考えるというものから、広く「本」の未来を考えるもの
    へとシフトしていきました。その結果として固まった企画が、『「本」の未来
    をめぐる若手パネルディスカッション』です。

    ___________________________________
     ◆ 3. 参加者の皆さまに「何か」をお持ち帰りいただけるフォーラムに ◆
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    夏頃からは、パネラーの出演依頼や運営方法の検討、ブログの立ち上げなど様
    々な作業が本格化してきました。また、図書館総合展の会場であるパシフィコ
    横浜で開かれた説明会において、実際のフォーラム会場の広さを確認し、250
    人を収容できる会場で参加者の皆さんの時間を90分間もいただくのだからいい
    加減なことはできない、という自覚を改めて持ちました。

    9月の中旬からはパネラーへのインタビューも始まり、それぞれのパネラーの
    バックグラウンドから電子書籍など昨今の「本」を取り巻く状況について思う
    ところまで、存分に語っていただいています。インタビューは、随時公式ブロ
    グに掲載しており、フォーラム当日までにより内容を充実させていく予定です。
    業務ではあまり関わることがなく、自分とは違った環境で働く図書館員の方の
    お話や、自分にとって近いようで遠い存在であった出版社の方のお話をうかが
    うのはとても新鮮でした。また、パネラーの方々が今に至るまでに歩んでこら
    れた人生が、「本」の未来に対する考え方にもつながっていることを、とても
    興味深く感じました。

    本番まであと1カ月を切った今、私の主な関心はフォーラムの成功はもちろん
    のこと、フォーラムにお申し込みいただいた方や自分自身がこのパネルディス
    カッションを通じてどれほど変われるかという点にあります。つつがなく執り
    行うだけでは、私たちも来てくださった方も物足りないはずです。せっかく豪
    華なパネラーの面々に登壇いただくのですから、ディスカッションをご覧の皆
    さまにも積極的に議論に参加していただき、会場全体で盛り上がること、参加
    者の皆さまに何かを得てお帰りいただくことを目標として運営に携わりたいと
    思っています。多くの方々のご参加をお待ちしております。



    図書館総合展フォーラム『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』

    【日時】2010年11月24日(水)15:30~17:00
    【場所】パシフィコ横浜(第8会場)
    【主催】図書館総合展運営委員会
    【協力】アカデミック・リソース・ガイド株式会社

    【コーディネータ】原聡子(国立国会図書館)
    【パネラー】(50音順)
      浅井愛(Web文芸誌『マトグロッソ』編集長)
      内沼晋太郎(numabooks)
      梶原治樹(扶桑社)
      高橋真太郎(鳥取県立図書館)
      谷航(大学図書館員)
      宮田和樹(実業之日本社)

    詳しくはブログをご覧ください。

    事務局の自己紹介やパネラーのインタビューを掲載しています。
    図書館総合展ホームページ、参加申込みフォームへもこちらから。

    http://honnomirai.blog106.fc2.com/

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    [筆者の横顔]
    辻佑果(つじ・ゆか)。1983年生まれ。国立国会図書館。関西館アジア情報課
    勤務を経て、現在外国資料課にて海外刊行物の収集を担当。趣味はお弁当作り、
    お風呂で歌うこと。好きなものはひやおろし。ちなみに、「図書館“かわいい”
    はつくれるプロジェクト」のブログはこちら。
    http://libkawaii.jugem.jp/

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    コーディネータ&事務局の自己紹介

    図書館総合展フォーラム『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』の中の人たちの自己紹介です。

    このフォーラムの出発点は、国立国会図書館で働く若手職員の「図書館も、自分自身も、今のままでいいの!?」という想いでした。
    まだまだ答えはわからないけれど、いま現在の1つの答えとして、今回の図書館総合展では“顔の見える”フォーラムを目指していきたいと思っています。

    まずは、簡単ですが自己紹介をします。ぜひ、ご一読ください。

    haratsuji

    原聡子(はら・さとこ) @satk108 (写真右)
    国立国会図書館では検索システムを担当しています。
    「図書館“かわいい”はつくれるプロジェクト」の中の人もやってます。
    市場で通用するレベルのかわいさを図書館に導入するつもりです。
    今回のパネルディスカッションでは、コーディネータをつとめます。
    図書館で働く前は、1年ほどですが編集プロダクションで本作りに関わっていました。
    既存の枠組みにとらわれない未来を考えていきたいです。

    辻佑果(つじ・ゆか) @yktsj (写真左)
    国立国会図書館では外国資料の購入を担当しています。
    「図書館“かわいい”はつくれるプロジェクト」の中の人です。
    「地味だけどかわいい」を目指しています。
    裏方担当ですが、元体育会系スイマーなので体力・気合い・根性には自信があります。
    本の未来についての明確なビジョンはまだないですが、自分の必要としている情報を入手したいというシンプルな目的を、全ての人が即時的確に果たせる仕組みができればなぁと思っています。

    nachiryo

    井上奈智(いのうえ・なち) @moonsun0321 (写真右)
    国立国会図書館では電子資料の提供を担当しています。
    旅好き・自転車好きで、常に日本全国を駆け巡るアクティブ図書館員です。
    図書館と異業種の活発な交流を取り持っています。飲み会の幹事はお任せください。
    日本は信頼性のある情報を低コスト(価格的・物理的に)で流通させることを実現してきました。
    今後、どのように担保していけるのかに興味があります。

    佐藤良(さとう・りょう) @sotoroyo (写真左)
    国立国会図書館ではメタデータを担当しています。
    パネラーとこの4人の中で一番の若手です。
    図書館で働きだして2年目、最近ますます図書館が楽しくなってきました。
    原さん・辻さん・井上さんとはまた違った視点・感覚で、このパネルディスカッションをもり立てていけたら、と思っています。
    よろしくお願いします!

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    図書館総合展フォーラム『「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション』詳細

    第12回図書館総合展フォーラム
     「本」の未来をめぐる若手パネルディスカッション

    日時:
     2010年11月24日(水)15:30~17:00
    場所:
     パシフィコ横浜(第8会場)

    主催:
    図書館総合展運営委員会
    協力:
    アカデミック・リソース・ガイド株式会社

    コーディネータ:
     原聡子(国立国会図書館)

    パネラー:
     浅井愛(Web文芸誌『マトグロッソ』編集長)
     内沼晋太郎(numabooks)
     梶原治樹(扶桑社)
     高橋真太郎(鳥取県立図書館)
     谷航(大学図書館員)
     宮田和樹(実業之日本社)

    開催趣旨:
     「電子書籍元年」とも言われ、電子書籍や本のデジタル化が話題になった本年、様々なシンポジウム等で「本」の未来について語られてきました。このフォーラムは、図書館員や編集者など、「本」に関わる現場で働いている若手によるパネルディスカッションです。それぞれの現場で働きながら、電子書籍やデジタル化への流れの中で何を考えているのか。組織としての立場からは離れ、一図書館員・一編集者として、そしてこれからを担う世代の一員として、「本」の未来を語ります。
     紙/デジタルの二者択一ではない「本」のあり方の模索、扱う情報が変化・多様化していく中での「図書館」「出版社」の行方、職業人または一読者として未来の「本」へのコミットの仕方などを、それぞれのパネラーが自分自身の言葉で語ります。
     若手らしく、軽快にテンポ良く議論を進めようと準備をしています。会場全体で盛り上がるためにも、多くの方々のご参加をお待ちしております。

    第12回図書館総合展フォーラムプログラム

    お申込みはこちらから

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